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開発@マイクロサービスアーキテクチャ

はじめに

本サイトにつきまして、以下をご認識のほど宜しくお願いいたします。


01. リポジトリの分割

リポジトリ分割のメリット

リポジトリを分割することにより、以下のメリットがある。

  • 認可スコープをリポジトリ内に閉じられるため、運用チームを別に分けられる。

ただし、バージョン管理システム (例:GitHub) によっては、リポジトリのディレクトリ単位で認可スコープを設定できるものがある。


分割パターン

▼ モノリポジトリ

バックエンドのマイクロサービス、バックエンドから分離されたフロントエンドアプリケーション、IaCツール (例:Kubernetes、Terraformなど) 、を1個のリポジトリでディレクトリで分割して管理する。

ただし、バックエンド/フロントエンド/IaCツールは異なるモノリポジトリとしても良い。

Googleではモノリポジトリによるマイクロサービスアーキテクチャが採用されており、自前のバージョン管理システム (Piper/CitC) を使用している。

その他にも、アメリカのIT大企業 (例:Facebook、Microsoft、Uber、Airbnb、Twitter、など) でもモノリポを採用している。

monorepo

▼ ポリリポジトリ

バックエンドのマイクロサービス、バックエンドから分離されたフロントエンドアプリケーション、IaCツール (例:Kubernetes、Terraformなど) 、をそれぞれ異なるリポジトリで管理する。

polyrepo


02. アプリケーションリポジトリ

開発環境

アプリエンジニアとインフラエンジニアの責務を完全に分離する場合、アプリエンジニアはIaCツールの存在を知る必要がない。

ただし便宜上、アプリエンジニアはDocker compose使用して開発すると良い。

各マイクロサービスにdocker-compose.ymlファイルを置き、基本的には他のマイクロサービスには依存せずに開発可能にする必要があり、これはモノリポジトリでもポリリポジトリでも同じである。

ただし、マイクロサービス間のネットワークを繋げないと、マイクロサービス間でパケットを送受信できない。そのため、Docker composeのexternalオプションを使用して、マイクロサービス間のネットワークを接続する。

この時に、開発環境でサービスメッシュを使用している場合、マイクロサービス間の通信で名前解決しやすい。

一方で、これを使用していない場合、開発環境のみでコンテナのホスト名を指定する。

# モノリポジトリの場合
backend_mono_repository/
├── src/
│   ├── foo/
│   │   ├── docker-compose.yml
│   │   ├── Dockerfile
│   │   ...
│   │
│   ├── bar/
│   └── baz/

# モノリポジトリの場合
frontend_mono_repository/
├── src/
│   ├── qux/
│   │   ├── docker-compose.yml
│   │   ├── Dockerfile
│   │   ...
│   │
│   ├── quux/
│   └── corge/


エディタ

多くのエディタでは、専用の設定ファイルがプロジェクトのルートディレクトリに置かれる。

基本的には、他のマイクロサービスには依存せずに開発可能にする必要があり、これはモノリポジトリでもポリリポジトリでも同じである。

そこで、各マイクロサービスにエディタの設定ファイルを置くようにする。

# バックエンドモノリポジトリの場合
# JetBrains製品をエディタとする場合
backend_mono_repository/
├── src/
│   ├── foo/
│   │   ├── .idea/
│   │   ...
│   │
│   ├── bar/
│   └── baz/

# フロントエンドモノリポジトリの場合
# JetBrains製品をエディタとする場合
frontend_mono_repository/
├── src/
│   ├── qux/
│   │   ├── .idea/
│   │   ...
│   │
│   ├── quux/
│   └── corge/


03. コンテナIaCツールリポジトリ

開発環境

IaCツールにKubernetesを使用した場合を示す。

開発環境でKubernetesを稼働させる場合、Skaffoldなどのコンテナイメージビルドツールを使用すると良い。

この時、コンテナイメージのビルドのために、アプリケーションリポジトリにあるDockerfileを指定する必要がある。

開発環境では同じ階層にリポジトリを置いておき、ビルドツールで相対パスを指定することにより、同階層のアプリケーションリポジトリを参照可能にする。

project/
├── backend_mono_repository
├── frontend_mono_repository
└── manifests_repository # コンテナのIaCツールを管理するリポジトリ
    ├── skaffold.yaml # 相対パスを設定し、mono_repositoryを参照可能にする。
    ├── argocd/
    ├── kubernetes/
    ├── istio/
    ...


04. クラウドインフラIaCツールリポジトリ

IaCツールにTerraformを使用した場合を示す。

# クラウドインフラのIaCツールを管理するリポジトリ
infrastructure_repository/
├── modules/
├── prd/
├── stg/