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IPアドレス@L3

はじめに

本サイトにつきまして、以下をご認識のほど宜しくお願いいたします。


01. IPアドレス

IPアドレスとは

ネットワーク内の機器の位置情報のこと。

ネットワーク内のLAN内のルーターを境に、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスに分けられる。

IPアドレスの例示では、xを使用しないようにする。

ip-address


IPアドレスの種類

▼ グローバルIPアドレス

プロバイダが提供するIPアドレスである。

パブリックネットワーク内に同じIPアドレスは存在せず、Network Information Centerへの使用申請が必要。

プライベートIPアドレスの番号でなければ、グローバルIPアドレスである。

NATはグローバルIPアドレスを持っており、プライベートネットワークとプライベートネットワーク間の双方向に対する通信時に、プライベートIPアドレスと相互変換する。

▼ プライベートIPアドレス

LAN内で使用される。

異なるプライベートネットワーク間では、同じIPアドレスが存在する。

プライベートIPアドレスは、RFC1918で推奨された範囲を使用することが多い。

RFC1918推奨のCIDRブロック IPアドレス 個数
10.0.0.0/8 10.0.0.010.255.255.255 16777216
172.16.0.0/12 172.16.0.0172.31.255.255 1048576
192.168.0.0/16 192.168.0.0192.168.255.255 65536


bitとの関係

例えば、プライベートIPアドレスの4個のオクテット (第一オクテットから第四オクテットまで) が1Byteのサイズをもち、IPアドレス全体で4Byteのサイズを持つ。

補足として、172から始まるIPアドレスは、クラスBである。

IPアドレスとbitの関係


01-02. IPアドレスの構造

ネットワーク部、ホスト部

▼ ネットワーク部、ホスト部とは

IPアドレスのオクテットは、ネットワーク部とホスト部に分類できる。

ip-address_portion

▼ クラスによるホスト部とネットワーク部の定義

IPアドレスをクラスとして分類し、各クラスでIPアドレスのネットワーク部とホスト部を定義する。

設定したIPアドレスの所属するクラスによって、使用できるIPアドレスの範囲が決まってしまう。

ホスト部とネットワーク部の定義方法が4種類しかないため、IPアドレスのパターン数 (最大パソコン数) が多すぎたり、少なすぎたりしてしまう。

使用できるIPアドレスの範囲 クラス ネットワーク部のオクテット ホスト部のオクテット 二進数で見た時 (n:ネ、h:ホ) IPアドレスのパターン数 (最大パソコン数) 備考
0.0.0.0127.255.255.255 A 第一のみ 第二から第四 0*.*.*.* 2^24 (16777216) 個 -
128.0.0.0191.255.255.255 B 第一から第二 第三から第四 10*.*.*.* 2^16 (65536) 個 よく使用する
192.0.0.0223.255.255.255 C 第一から第三 第四のみ 110*.*.*.* 2^8 (256) 個 -
224.0.0.0239.255.255.255 D - - 1110*.*.*.* - -
240.0.0.0255.255.255.255 E - - 1111*.*.*.* - -

▼ サブネットマスクよるネットワーク部とホスト部の定義

1』あるいは『0』で、IPアドレスのネットワーク部とホスト部を定義し、IPアドレスの後ろに記述する方法 (例:192.168.42.23/24) 。

設定したIPアドレスに対して、使用できるIPアドレスの範囲を自由に定義できる。

ネットワーク部を『1』、ホスト部を『0』で表す。

サブネットマスクの表記方法には、二進数形式、IPアドレス形式、1の個数で表すCIDR形式による表現方法がある。

二進数形式 IPアドレス形式 CIDR形式 IPアドレスのパターン数 (最大PC数) 備考
/10000000.00000000.00000000.00000000 /128.0.0.0 /1
/11000000.00000000.00000000.00000000 /192.0.0.0 /2
... ... ...
/11111111.00000000.00000000.00000000 /255.0.0.0 /8 2^24
(16777216) 個
... ... ...
/11111111.11111110.00000000.00000000 /255.254.0.0 /15
/11111111.11111111.00000000.00000000 /255.255.0.0 /16 2^16
(65536) 個
よく使用する範囲
... ...
/11111111.11111111.11111110.00000000 /255.255.254.0 /23
/11111111.11111111.11111111.00000000 /255.255.255.0 /24 2^8
(256) 個
... ... ...
/11111111.11111111.11111111.11111110 /255.255.255.254 /31
/11111111.11111111.11111111.11111111 /255.255.255.255 /32 1 よく使用する範囲

*例*

プライベートIPアドレスが192.168.0.0 (11000000.10101000.00000000.00000000) で、使いたいIPアドレスのパターン数が65536個、または16777216個の場合、サブネットマスクの表記、使用できるIPアドレスの範囲は以下の様になる。

使いたいIPアドレスのパターン数 二進数形式による表記 IPアドレス形式 CIDR形式 使用できるIPアドレスの範囲
16777216 192.168.0.0/11111111.00000000.00000000.00000000 192.168.0.0/255.0.0.0 192.168.0.0/24 192.168.0.1192.168.0.254
65536 192.168.0.0/11111111.11111111.00000000.00000000 192.168.0.0/255.255.0.0 192.168.0.0/16 192.168.0.1192.168.255.254
1 192.168.0.0/11111111.11111111.11111111.11111111 192.168.0.0/255.255.255.255 192.168.0.0/32 192.168.0.0


国名コード

IPアドレスから、そのIPアドレスがいずれの国のネットワークが送信元かを判定できる。


特殊なIPアドレス

▼ ループバックIPアドレス (ローカルホスト)

127.0.0.1127.255.255.254の間のIPアドレスで、自分自身を表す。

基本的には、127.0.0.1を使用する。


02. URL、メールアドレス

URL、メールアドレスとは

ネットワーク内での位置情報であるIPアドレスに紐づき、ネットワーク上のIPアドレスの場所を人間にわかる識別子にしたもの。


URLの構造

URLは『プロトコル + 完全修飾ドメイン名 + パス』から、メールアドレスは『ユーザー名 + 完全修飾ドメイン名』から構成される。

URLと電子メールの構造


完全修飾ドメイン名

▼ 完全修飾ドメイン名とは

完全修飾ドメイン名は、ドメイン名、ホスト名からなる。

domain_namespace

▼ DNSゾーン

同じドメイン名を持つ様々な完全修飾ドメイン名 (www.example.comwww.stg.example.comwww.dev.example.com) の集合のこと。

一般的なパブリックネットワークで使用するDNSゾーンタイプを『パブリックゾーン』、一方でプライベートネットワークの場合を『プライベートゾーン』という。

▼ ホスト名

そのネットワークにおける具体的なサーバーを指す。

サーバーのホスト名が『www』である場合、クライアントはURLの指定時にホスト名を省略できる。

例えば、『www.example.com』という完全修飾ドメイン名をURLで指定する場合、『example.com』としても良い。

▼ ドメイン名

所属ネットワークを指す。

▼ サブドメイン名

完全修飾ドメイン名は、ドメイン名の子関係にあるサブドメイン名を持てる。

ホスト名 (以下では省略されている) と、ドメイン名の間につける。

subdomain-name

▼ サブ-サブドメイン

サブドメインのサブドメインである。

サブ-サブドメインでネットワークするためには、以下の作業が必要である。

  1. サブ-サブドメインの親サブドメインを取得する。 (例:AWS Route53ホストゾーン)
  2. サブドメインのワイルドカード証明書 (例:AWS ACM) を取得する。ドットで区切られたサブ-サブドメインを一つのサブドメインのように扱う (例:sub.sub.example.comsub.example.com、を両方ともサブドメインとして扱う) 。
  3. 親サブドメインのDNSレコードにサブ-サブドメインを登録する。 (例:AWS Route53 DNSレコード)


クエリストリング

▼ クエリパラメーター

クエリストリング (?以降) に割り当てたパラメーターをクエリパラメーターという。

GET https://example.com:80/users/777?text1=a&text2=b


▼ パーセントエンコーディング

クエリパラメーターにURLで使用できない文字がある場合、パーセントエンコーディング方式でエンコーディングする。


03. 名前解決

名前解決、正引き、逆引きとは

IPアドレスと完全修飾ドメイン名のマッピング1

URLやメールアドレスのドメイン名とIPアドレスを相互変換すること。

特に、ドメイン名を基にIPアドレスを返却させるような問い合わせを『正引き』、反対にIPアドレスを基にドメイン名を返却させるような問い合わせを『逆引き』という。

例えば、外部webサーバーのグローバルIPアドレスが『203.142.205.139』であると知っている場合、URLのプロトコル部分以下を『203.142.205.139』としてリクエストすれば、外部webサーバーが提供するサイトにリクエストを送信できる。

しかし、グローバルIPアドレスは数字の羅列であるため、人間には覚えにくい。

そこで、グローバルIPアドレスの代わりに、完全修飾ドメイン名をURLの一部として使用する。


名前解決の要素

/etc/hostsファイル

ドメイン名とIPアドレスのマッピングを管理する。

名前解決でDNSサーバに問い合わせる前に参照される。

もし/etc/hostsファイルで名前解決が行われた場合は、DNSサーバば使用されない。

webサーバーのIPアドレスがDNSサーバーに登録されていない時、またはDNSサーバーが不具合の時に、DNSサーバーの代わりとして使用する。

*例*

127.0.0.1 localhost
255.255.255.255 broadcasthost
:   :1             localhost
*.*.*.* example.com
<IPアドレス> <ドメイン名>

/etc/resolv.confファイル

名前解決に使用するDNSサーバーのIPアドレスや、問い合わせで使用するドメイン名の後に付与する文字列を定義する。

名前解決では、まず最初に、/etc/resolv.confファイルに定義されたDNSサーバに問い合わせる。

*例*

もし、exampleというドメイン名で問い合わせを行った場合、実際にはexample.fooが使用される。

また、この問い合わせに失敗した場合は、search値が左から順に使用される。

nameserver  *.*.*.*
domain      foo # ドメイン名の後に付与する文字列
search      bar   baz # domain値で問い合わせに失敗した場合に使用する文字列
$ nslookup example # 実際には、example.fooとなる

▼ ドメイン

ドメインレジストラ (例:AWS Route53、Google Cloud DNS、お名前ドットコム) によって管理される。

▼ DNSサーバー (ネームサーバー、権威DNSサーバー)

『ネームサーバー』『権威DNSサーバー』ともいう。

ドメインレジストラがドメインと合わせてDNSサーバーも管理することが多いが、DNSサーバーの管理を外部のDNSプロバイダーに委任することもできる (例:お名前ドットコムをドメインレジストラ、AWS Route53をDNSプロバイダーとする) 。

ドメイン名とIPアドレスのマッピングを管理する。

▼ キャッシュDNSサーバー

ルートサーバーは世界に13機しか存在しておらず、現実的には、世界中の名前解決の全てのリクエストを処理できない。

そこで、IPアドレスとドメイン名の関係をキャッシュするキャッシュDNSサーバーが使用されている。

基本的には、キャッシュDNSサーバーとDNSサーバーは区別される。

ただし、AWS Route53のように、キャッシュDNSサーバーとDNSサーバーの処理を実行できるものもある。


名前解決の仕組み

名前解決の仕組み

(1)

クライアントPCは、www.example.comにマッピングされるIPアドレスのキャッシュを検索する。

キャッシュが無ければ、クライアントPCはドメイン名をキャッシュDNSサーバーに問い合わせる。

(2)

キャッシュDNSサーバーは、IPアドレスのキャッシュを検索する。

キャッシュが無ければ、キャッシュDNSサーバーはドメイン名をドメインレジストラにあるDNSサーバーに問い合わせる。

(3)-(9)

ドメインレジストラにあるDNSサーバーは、IPアドレスを検索する。

検索してもIPアドレスが無かった場合、次のDNSサーバーに委任する。

最終的に、IPアドレスを持つDNSサーバーは、キャッシュDNSサーバーにIPアドレスを返却する。

完全修飾ドメイン名 DNSサーバーによる変換 IPアドレス
http://www.example.com 203.142.205.139
(10)

キャッシュDNSサーバーは、IPアドレスをNATルーターに返却する。

この時、IPv4アドレスのネットワーク間変換が起こる。

NATルーターは、IPアドレスをクライアントPCに返却する。

(11)

クライアントPCは、返却されたIPアドレスを基にWebページにリクエストを送信する。